休職中に傷病手当金を申請する手順
休職時に心配になるのは収入が止まり不安になります。
この記事では傷病手当金の申請の仕方を記載していきます。
1. 申請条件
傷病手当金の概要
傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けなくなった際に、生活の支えとして支給される金銭的サポートです。これは、健康保険に加入している被保険者が対象となり、働けない期間中の所得補償を目的としています。
申請の対象となる条件
傷病手当金を申請するには、以下の条件を満たす必要があります。
• 健康保険の被保険者であること:会社員やその扶養家族である被保険者が対象です。
• 4日以上連続して仕事を休むこと:最初の3日間は待機期間とされ、4日目から支給の対象となります。
• 就業不能であること:医師の診断書などで、就業が不可能であることを証明する必要があります。
対象とならないケース
• 雇用保険に加入していない:パートやアルバイトでも加入していないと対象外です。
• 自らの意思で働かない場合:健康上の問題ではなく、自主的に仕事を休む場合には支給されません。
• 業務上の病気やケガ:労災保険の対象となるため、別の制度が適用されます。
• 業務外の理由で病気やケガをしたこと:仕事中の事故や通勤中のケガは、労災保険が適用されるため、対象外です。
2. 受給金額
傷病手当金の計算方法
傷病手当金の支給額は、通常の給与の約3分の2が基準となります。具体的には、「標準報酬日額」の3分の2が支給されます。標準報酬日額は、支給開始日の直前の1年間の給与総額を365日で割って算出されます。
例えば、月給30万円の場合、標準報酬日額は約8,219円(30万円 × 12か月 ÷ 365日)となり、その3分の2である約5,479円が1日の支給額になります。
支給される金額の上限や期間
傷病手当金の支給には上限があります。上限額は法律で定められており、特に高額所得者の場合は標準報酬日額の計算が複雑になることがあります。支給期間は、最長で1年6か月(18か月)です。ただし、これは連続した期間での計算となるため、途中で職場復帰し、その後再度休職した場合も合算して計算されます。
支給金額の具体例
• 月給20万円の場合:標準報酬日額は約5,479円。1日あたりの傷病手当金は約3,653円。
• 月給40万円の場合:標準報酬日額は約10,958円。1日あたりの傷病手当金は約7,305円。
これにより、個人の収入に応じて、受給額が変動する仕組みになっています。また、所得税や住民税の対象外であるため、受け取る金額がそのまま手取り額となるのもポイントです。
3. 申請方法
3-1 申請に必要な書類一覧
傷病手当金を申請する際には、以下の書類が必要です:
• 申請書:健康保険組合や協会けんぽから入手できる申請書を使用します。
• 医師の診断書:就業不能であることを証明するための診断書が必要です。診断書には病名、治療期間、仕事ができない理由などが明記されている必要があります。
• 給与証明書:会社から発行されるもので、支給期間中の給与が支払われていないことを証明する書類です。
3-2 申請の流れと手順
傷病手当金の申請は以下の手順で行います。
・必要書類の準備:上記の必要書類を準備します。特に医師の診断書は、申請前に早めに取得しておくとスムーズです。
・申請書の記入:申請書には、被保険者の情報や休職理由、病状の詳細などを記入します。また、勤務先の証明も必要となるため、会社に記入を依頼します。
・書類の提出:すべての書類が揃ったら、加入している健康保険組合や協会けんぽに提出します。提出方法は郵送または窓口での直接提出が一般的です。
3-2 申請のタイミングと提出先
申請は休職開始後、早めに行うことが推奨されます。
最初の3日間の待機期間を経過して4日目以降から申請可能です。提出先は、加入している健康保険組合や協会けんぽの指定窓口になります。
4. 注意点
4-1 申請時のよくあるミスと対策
傷病手当金の申請でよくあるミスは、書類の不備や記入漏れです。申請書には細かい項目が多く、記入漏れがあると申請が遅れることがあります。特に、医師の診断書に不備があると、再度病院に行ってもらう必要が生じるため、注意が必要です。事前に提出する健康保険組合のホームページなどでチェックリストを確認し、不備がないように準備しましょう。
4-2 受給中に気をつけるべきこと
• 働いてはいけない:傷病手当金は就業不能の状態で支給されるため、たとえ短時間のアルバイトでも働くと支給が停止される可能性があります。収入が減り、焦りが出るかもしれませんが、
まずは自分の体調を万全にしましょう。
• 健康状態の報告:私の経験としては、毎週、週初めに体調を上長にメールするように言われていたので、会社に自分の状態を報告することを義務付けられていたので、健康状態を伝える事は問題ありませんでしたが、健康状態が改善し、職場復帰の話も体調の回復次第で出てきますので、答えられるようにしておきましょう。
回答が難しければ、医師と相談してみます。といった回答をしておくと時間が稼げます。
・会社から給与が支払われている場合:傷病手当金の支給額との調整が行われます。
・障害厚生年金や老齢年金などと同時に受給する場合:支給額が減額または停止されることがあります。
・受給中に別の病気で休職した場合:それぞれの病気について通算1年6カ月まで受給できますが、重複期間は二重に受け取ることはできません。
4-3 支給停止の条件と対処方法
傷病手当金は、条件が該当すると支給が停止される場合がありますので注意が必要です。
• 治癒または職場復帰した場合:病気やケガが治癒し、通常の業務に復帰した場合は支給が終了します。
傷病手当金は働けない状態になっている事が前提になっているので、復帰したら受給は止まります。
• 失業保険の受給:失業保険を受給する場合、傷病手当金との重複受給はできません。
• 所得が発生した場合:自営業や副業で収入が発生した場合も、支給停止の対象となります。
支給停止の通知が届いた場合は、速やかに健康保険組合に連絡し確認を行いましょう。
細かいルールなどは変わっていく事がありますので、詳細は各ホームページを確認してください。
自分が入っている組合保険
まとめ
傷病手当金は今まで働いて税金を払ってきたものなので、もらうのは申し訳ないとか思わず、貰う権利があるお金です。体を壊すまで働いて限界を超えている状態で無理せず、しっかり休養して、今後、社会復帰していく活力を回復しましょう。